いわき回廊美術館を訪問したあとは、沿岸部まで車で移動。
津波で被災した久之浜へ向かう。
防波堤の建設作業が進んでいた。
道の駅で、販売されているものを見るも「福島県の魚」が売られていない。
放射線物質の線量の問題で、福島漁協は水揚げが出来ないのだ。
漁師にとってこんなに悔しいことはないだろう。
(ギタリストに例えるのもなんだけれど、自分のギターを全部取り上げられて、弦のないギターを渡されてこれで当分は勘弁して下さいと云われているようなものだろうと思う。)
沿岸を走ったあと、久之浜に住む人々が運営している復興商店街「浜風商店街」を訪れる。
浜風商店街の「ふれあいブース」には2011年3月11日の久之浜の様子が写真で展示してあった。
生々しい当時の様子が伝わってくる。
なかでも一番印象に残った写真は、こちら。
「地上からは見えない原発も、高度300mから見れば
直ぐそこに在るのです。
この現実を忘れないでください」
福島から発せられる「この現実を忘れないでください。」というメッセージ。
多くの人が住む場所を奪われた原発事故のあとに発せられたこの言葉は、重い。
「忘れないでください」と言っている相手は一体誰なんだろう。
それは僕に対してかもしれないし、被災している人に対してかもしれないし、
被災していない人に対してかもしれないし、国のエライ方々に対してなのかもしれない。
もしかしたら、この世に生きる全ての人に対してかもしれない。
どんなに過去へ戻りたいと願っても、それは誰にも出来ない。
震災は起こってしまったし、
原発はメルトダウンしてしまった。
大量の放射線物質が大気に放出され、多くの人々が生活を奪われた。
絶対にあってはならないことが起きてしまった。
「この現実を忘れないでください。」
このブログを書いている今でも、心に残るメッセージです。
PS.
こちらの浜風商店街でラーメンを食べました。
今まで食べたラーメンのなかでも5本の指に入る美味しさでした。