ノルウェイの森


松山ケンイチしばりで映画をもう一つ。

「ノルウェイの森」(2010年 トラン・アン・ユン監督)

言わずと知れた村上春樹のベストセラー小説を映画化した作品です。

個人的な感想は、「小説とはまったくの別物、として観たらなかなか良いのかも知れない。」

というものでした。

 

村上春樹の小説はついついいつも手が伸びてしまい、ほぼ全ての作品を読みましたが、

小説「ノルウェイの森」は村上作品のなかでもけっこう色が濃い作品だと思います。

背景の描写が細かいけれど、謎めいたところはものすごく謎のまま残されていて。

少なくとも初期の羊三部作とはかなり雰囲気が違います。

(羊三部作は潔い意味で内容がぶっ飛んでますから)

 

上下巻の長編なので、それを2時間少々の映像に詰め込むというのはかなりの難技だったはず。

なので、細かい描写はかなりスルーされていて、小説での名脇役「突撃隊」もちょっとしか登場しません。残念。

 

ただ良かったな〜と思ったのはロケハンです。

これがイメージしていた描写とぴったりでして、それだけでも見る価値があったと思います。

 

キャスティングも難しいところですね。

「キズキ」役の高良健吾は、ドンピシャでした。

 

ちなみにビートルズの「ノルウェイの森」はコード進行がとても複雑です。

普通こうは続かないだろうというコードが続いていきます。

だからこそあの不思議な世界感が醸し出されているのかも知れません。